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退職が決まったあと、残っている有給休暇をどう使えるのかは、気になるところだと思います。労働基準法の条文と、厚生労働省・労働局の公式ページで、退職時の有給消化について確かめてまとめました。
■有給は、退職時にどうなるか
有給休暇は、労働基準法第39条で定められた働き手の権利です。会社を辞めると、この権利は消えます。そのため、残った日数を使いたいときは、退職日までに取得する必要があります。
退職日までの有給の考え方
1
有給が付与される
雇入れから6ヶ月継続して勤め、全労働日の8割以上出勤していれば10日(その後は勤続年数に応じて増え、最大20日)
2
退職日までの間に取得する
残りの日数を、退職日までの勤務日に当てる
3
退職日をむかえる
退職をもって有給の権利は消える
出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第39条第1項・第2項。厚生労働省「確かめよう労働条件」年次有給休暇。
【料金・基本情報】
| 付与される日数 | 雇入れから6ヶ月で10日。そのあと勤続1年ごとに、1日・2日・4日・6日・8日・10日が加わり、勤続6年6ヶ月以降は年に20日(出勤率が8割以上の場合) |
|---|---|
| 有給を取る権利の期限(時効) | 付与されてから2年間。厚生労働省は、年次有給休暇の時効は2年のままとされていると案内しています |
| 有給の間の賃金 | 就業規則などで定めた、平均賃金か、通常の賃金を支払う必要がある(労働基準法第39条第9項) |
■会社は、退職前の有給消化を断れるか
会社が有給の取得を断れるのは、請求された時季に与えると「事業の正常な運営を妨げる場合」に、別の時季に変更するときだけです(時季変更権)。ただ、退職日が決まっているときは、事情が変わります。
時季変更権と、退職日の関係
| 時季変更権 | 請求された時季に有給を与えることが、事業の正常な運営を妨げる場合に、会社が他の時季に変更できる権利(労働基準法第39条第5項) |
|---|---|
| 退職日が決まっているとき | 厚生労働省の案内では、退職日以降に時季を変更することはできないため、会社は時季変更権を行使できず、労働者の請求どおりに与えなければならないとされています |
| 引き継ぎが必要なとき | 同じ案内で、会社の事業の引き継ぎなどが必要な場合に、退職日を遅らせるなどを打診されることはあるものの、応じるかどうかは労働者に委ねられている、とされています |
出典:厚生労働省「確かめよう労働条件」年次有給休暇(退職時の年休)。厚生労働省の労働局のよくある質問(退職予定者には年休を与えなくてもよいか、の項)。
■退職前に、有給を買い取ってもらえるか
「使いきれない分は、お金で買い取ってほしい」と考える方もいると思います。厚生労働省の労働局の案内では、年次有給休暇は日ごろの業務から離れて休むためのものなので、原則として買い上げることはできない、とされています。
買い取りの考え方
| 法律で定められた有給の買い上げ | 労働局の案内では、法定の年次有給休暇を買い上げることは違法とされています |
|---|---|
| 法律を超える分の有給 | 会社が、法律の定めを超えて独自に与えている有給(法定を超える分)の買い上げは、違法とはならない、と同じ案内に書かれています |
| 退職前の会社からの打診 | 「有給を買い取るから、取らないでほしい」という提案があっても、法定の有給を取る権利が消えるわけではありません |
出典:厚生労働省 労働局「よくある質問(事業主の方へ)」退職・解雇・雇止めの項(年休の買い上げ)。
■有給消化の日数を、具体的に数える
例:週5日勤務で、残りの有給が20日のとき(当サイトの計算)
| 休みに入るまでの日数 | 週5日勤務なら、20日の有給は、勤務日ベースで4週間分(20日÷週5日) |
|---|---|
| 退職日からさかのぼる | 祝日や会社の休日がなければ、退職日の4週間前に最後の出勤をして、そのあとの勤務日を有給にあてる計算になる |
| 祝日や会社の休日が入ると | その分、最終出勤日は少し前になる |
出典:この例は、当サイトが計算した目安です。実際の最終出勤日は、勤務の曜日・祝日・会社の休日・引き継ぎの状況で変わります
残りの有給の日数を確かめる
給与明細・勤怠システム・人事への確認で、日数と期限を調べる
退職日と、最終出勤日の案を決める
退職の意思を伝えるときに、有給を使いたい旨をあわせて伝える
申請を、あとから確認できる形で出す
書面かメールで、取得の期間を示す
引き継ぎの範囲を、話し合って決める
期間内でできる範囲を、会社と確かめる
ゆうき
■申し込む前・辞める前に確かめる項目
有給消化の前の確認
残日数と期限を見る
2年の時効があるので、古い分から期限が来る
就業規則の記載を見る
有給の申請方法(書式・何日前まで)が書かれていることが多い
退職日と最終出勤日を分けて考える
有給の期間は、在籍のまま、出勤しない期間になる
引き継ぎの範囲を整理する
話し合いの材料として、やることの一覧を作っておく
退職前の有給は、法律で定められた権利です。日数と、申請の形を先に整えておくと、会社との話し合いが落ち着いて進められます。
- ✔ 退職日までは、会社は時季を変更できないとされています
- ✔ 買い取りの提案があっても、法定の有給を取る権利は消えません
■関連する用語
あわせて知っておきたい言葉
| 時季指定 | 会社が、年5日の有給を、労働者ごとに時季を決めて与える義務。10日以上有給が付与される方が対象(労働基準法第39条第7項) |
|---|---|
| 計画的付与 | 労使協定で、有給のうち5日を超える部分について、会社が時季を決めて与える制度(労働基準法第39条第6項) |
| 時間単位年休 | 労使協定により、年5日以内で、時間単位で有給を取れる制度(労働基準法第39条第4項) |
■退職時の有給消化についてよくある質問
Q. 退職日までに有給を使い切りたいと言ったら、会社は断れますか?
A. 厚生労働省の案内では、退職日以降に取得の時季を変更することはできないため、会社は時季変更権を行使できず、請求どおりに与えなければならないとされています。ただし、引き継ぎなどの話し合いは続けられます。
Q. 有給を使ったあと、お金で買い取ってもらえますか?
A. 労働局の案内では、法定の年次有給休暇の買い上げは原則として違法とされています。会社が法律を超えて独自に与えている日数は、買い上げが違法とはならないと書かれています。
Q. 有給の権利は、いつまで残りますか?
A. 付与されてから2年間です。退職をもって、有給の権利そのものが消えます。
Q. 有給を取っている間も、給料は出ますか?
A. 労働基準法第39条第9項で、就業規則などで定めた、平均賃金か通常の賃金を支払う必要があると定められています。
■【まとめ】残り日数と、申請の形を先に整える
退職日までに有給を使うことは、厚生労働省の案内でも認められています。会社に伝える前に、残りの日数と期限を確かめ、申請を書面かメールで出す準備をしておくと、話し合いが進めやすくなります。
退職後の失業給付の流れは、給付制限とは?自己都合退職の失業給付でまとめています。体調を崩して休んでいる場合は、退職後の傷病手当金とはも参考になります。
退職代行を使う場合の有給の扱いは、退職代行で有給消化はできる?でまとめています。
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